アンティーク着物からたつけへ

なぜ野良着なのか。
もはやそれは普段着です。
着心地の良い気に入った柄の服。
人は大人になると自分で服を選び
身に纏う。
小学校までは母親の買ってきてくれた服を喜んできているが
思春期にもなると貯めたお小遣いで電車に数十分乗り、
原宿や渋谷や新宿を友人と買い物半分冒険半分で街を練り歩くのである。
友人は欲しいものを見つけて喜んでいるのいつまで経っても
欲しいものは見つからない。
山手線をぐるぐる乗って、行動範囲を広げても欲しいものは
どこにもみつけられない。
インドの山奥に行ってもアメリカの大きなフリーマーケットに行っても
どこに行っても売っていない。
だけど素敵に服を纏っている人はいる。
派手だろうが地味だろうが自分の体型や肌の色
似合う色や素材。
そういうのをきちんと見定めて纏うものを選んでいる人が
とてつもなく素敵に思う。
だから私も心地よく布を纏う日を夢見ル。
この身に纏うものも生き方の表現の一つ。
アンティーク綿着物には素敵な柄、今はなかなか会えないマットな色味の木綿が
たくさんあります。
使い込まれた古き布、時代を超えて手の元にやってきた布たち。
裄、身幅、身丈。。それぞれ当時の個人の寸法でできたものを何の手も加えず
きてみても現代人の体や作業や気候にはしっくりきません。
古い和裁の本を読んだり、当時の作業性や柳田國男先生の麻から木綿に移行した時代背景など鑑みても木綿の時代は短いようです。
綿花栽培と天繭の関係もあるようです。
型紙をみたり寸法表と睨めっこしても尺計算が必要だったり、なんとなく読みづらいなどややこしかったりしていたけど、見つけました。
石徹白洋品店とういうところのたつけの作くり方がとにかくわかりやすく無駄がない。
伝統と文化を残しつつ現代的ですごく素敵なのです。
曲線は使わず長方形と三角形でできたたつけパンツはとにかく捨てるところがない。
普段パンツもいくつか作成してますがやはり捨てるところがないのは美学に通ります。
日本の心そのものです。
アンティーク綿着物は布力を確かめ日々野良着や日常着に変身して行っています。
たつけ 伝統的足首窄まりタイプ
膝を深く屈曲させてもお尻のまちが大きく動きに制限がかからない。
素晴らしい。ジャストフィットとはまさにこのこと。
長靴も履きやすいし何よりアンティーク着物の昔の柄を毎日着れる!
が最大の喜び。布幅34センチ
草木染めがしたくて後染め用木綿糸で作成。



全て三角と長方形の直線からなっている。
ふくらはぎの後ろの三角のところを解くと微調整ができるのです。
たつけ ストレートタイプ
個人的ですが、畑仕事もするけど脱いだ時レギンスやスキニーがなんとなく自分の体型としっくりこない。
畑以外でズボンは履きません。着物かスカートか巻き布で生活しています。
だけど毎朝ヨガはするし畑の休憩にはストレッチしている私本人はストレートかパンタロンが大好物です。
そのまま街にも行っちゃいます。
ダボっとおしゃれ感残るたつけも作っていきます。
布幅37センチ


ゆとりを持たせるお尻マチ



スタジオ講師や本気ヨガで人前に体を晒すときは
もちろんタイツでした。ダンスの時もそうですが体の曲線確認したり
鏡を見ながらの修練の時はタイツは決して裏切らない!と思っていますが
講師引退したので体の解剖学を誰に説明するわけでもないので
タイツは卒業です。
身丈の短いアンティーク着物を二部式のように切り離し
作務衣のようにも作成しています。
最近使い勝手がグングン伸びているこの作務衣スカートスタイルは
上は着物の状態、下はたつけを履きその上に腰巻きとして使用するのが
とても作業性が良い。
脱ぎ着のしやすさもあまり重ね過ぎしないなどの作業性なども実践してみて
この場合は着物の下の部分をスカートとしてではなく腰巻きに採用。
なのでポッケもつけて腰紐も巻きます。
エプロンのようではなく襦袢着る時と一緒です。
前を汚したくない前掛けではなくいつだって体を守る腰巻きが必要と
感じたのです。土の上に座っているとお尻がなんとなく冷たい。
横のポッケはしゃがむ時引っかかる。草刈機の振動がポッケの中の
携帯にずっと圧を与え続けている。など。
ポッケは後ろ。
前掛けは帯を巻いて鍬作業や重労働の日。
日常の中からより良い作業着と自分の気持ちに寄り添うアンティーク着物リメイクを心がけて、たつけ、作務衣、腰巻き、手甲を作成しています。
たまゆらオープンしてからもさらに改良を重ねているのでなかなかウェブサイトでの出品までには至りませんが畑にも精を出しながらなんとか在庫を増やしていきたい今日この頃です。
春から野菜の販売も始まります。
どうぞ非力なたまゆらを末長く応援してくださいませ。
たまゆら れいこ